
地震は、家族が揃っている時に起きるとは限りません。子どもが学校にいる平日の昼間に来ることもあります。あなたが職場や買い物先にいる時間帯も同じです。内閣府の調査によると、平日昼間に地震が起きた場合、家族が同じ場所にいる確率は大きく下がります。「バラバラの瞬間に大きな揺れが来たら」という場面をあらかじめイメージしておくことが、いざという時の冷静な判断につながります。その上でこの記事では、家族が離れている状況で地震が起きた時の正しい行動と、今日から準備しておきたいことをお伝えします。
まず「今いる場所での安全確保」を最優先に

家族が離れている時に地震が起きると、「今すぐ子どものところへ行かなきゃ」と焦る気持ちが湧き上がります。しかし、揺れの最中に動き出すことは非常に危険です。学校や保育園のお子さんは、先生たちが責任を持って守っています。「まず自分が無事でいること」が、家族を助けられる唯一の前提条件です。
揺れを感じたら、すぐに低い姿勢を取り頭を守ってください。さらに、落下物や転倒した家具によるけがは、地震発生直後に集中します。揺れが完全に収まるまで、その場から動かないことが基本です。「家族のために、まず自分を守る」という意識を持ちましょう。焦りは判断力を下げます。深呼吸をして、状況を落ち着いて見極めることが、最終的に家族を守ることにつながります。
「すぐ迎えに行きたい」気持ちを、いったん止める

揺れが収まると、すぐに学校や保育園へ向かいたくなります。しかし地震直後の道路は、思った以上に危険な状態です。例えば信号が止まった交差点、倒壊したブロック塀、ガラスが散らばった歩道——焦りながら移動すれば、けがのリスクが高まります。電車やバスは緊急停止しており、車での移動も渋滞で身動きが取れなくなることがあります。
ここで知っておいてほしいのが、学校や保育園には「引き渡しルール」があるということです。さらに、保護者が迎えに来るまで、子どもを安全な場所で保護する方針をとっています。つまり、お子さんはすでに先生のそばで守られている状態にあります。「今すぐ行かなければ」という焦りをいったん止めて、自分の周囲の安全を確認することが大切です。落ち着いて状況を把握してから行動に移すことが、結果として最善の行動につながります。
学校の「引き渡しの仕組み」を信頼する
文部科学省のガイドラインには、学校は災害時に「児童・生徒の安全を確保し、保護者への引き渡しを原則とする」と明記されています。多くの学校・保育園では引き渡しカードや緊急連絡の手順が整備されており、先生たちはその方法に沿って行動します。「学校から何の連絡もない=子どもが無事」と受け取ることができる場合も多いです。地震直後は電話が集中して繋がりにくい状況が続きます。無理に電話をかけ続けるより、学校の仕組みを信頼して冷静に待つことが、大切な判断になることもあります。
お子さんの学校・保育園の引き渡し方法と緊急時の連絡先を、今一度確認しておくことをおすすめします。さらに、入学・入園時に配布されたプリントや学校のWebサイトで確認できることが多いです。
電話が繋がらない時の「伝言の残し方」
大きな地震の直後は、電話回線が混雑して通話が難しくなります。しかし、家族に状況を伝える方法は電話だけではありません。事前に「どの手段を使うか」を家族で決めておくと、いざという時に迷わずに済みます。
・災害用伝言ダイヤル(171):「1」で録音、「2」で再生できます。自分の電話番号に伝言を残せます。
・LINEやSNSのテキストメッセージ:音声通話より繋がりやすいことがあります。
・Googleのパーソンファインダー:名前と現在地を登録することで、家族が検索して安否を確認できます。
・NHKや地方放送局の安否情報:ラジオやテレビでも状況を確認できます。
「○○にいます。無事です。」の一言を残せるだけで、家族の不安は大きく和らぎます。連絡がとれない状況でも「伝言は残せる」という意識が、冷静な行動を支えてくれます。
行動計画や集合場所の決め方など、防災の備え全体を確認したい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
家族がバラバラな時「特有の備え」を今決めておく

家族が離れている状況への備えは、一般的な防災準備とは少し異なります。「誰がどこから動くか」をイメージした、離散特有の備えが必要です。難しく考えず、「もしもの時の約束」として家族で確認しておきましょう。
・ひとりの保護者が動けない場合の「代わりに迎えられる人」を子どもが知っている
・職場や外出先から学校・自宅への徒歩ルートと途中の目印を把握している
・子どもの放課後の居場所(学童・習い事先)の緊急連絡先をスマホに登録している
・「先に自宅に戻れた人が、家族全員に状況を伝える」というルールを決めている
・子どもが迷子になった時の待機場所と合言葉を、子ども自身が知っている
大切なのは、親が「決めておく」だけでなく、子どもと一緒に確認することです。子ども自身が「どう動くか」を知っていれば、離れていても安心できます。年に一度、防災の日(9月1日)のタイミングで家族全員で見直すことをおすすめします。
地震発生直後の初動について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
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まとめ|離れていても、備えで家族はつながれます

家族が離れている時に地震が起きても、事前の準備があれば冷静に動けます。まず自分の安全を確保すること、学校の仕組みを信頼すること、複数の連絡手段を持つこと、離散特有の約束を家族で決めておくこと——これらはすべて、今日から始められることです。例えば、「もしもの約束」をひとつ決めるだけで、いざという時の不安は大きく変わります。ぜひ今日、ご家族との会話の中で話し合ってみてください。
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